『数学はもう変わった』海外で激論、AI証明700件は本物か
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数学者テレンス・タオのブログに掲載されたゲスト投稿「数学は変わった、それに合わせて行動しよう」をきっかけに、Hacker Newsで数学とAIの関係をめぐる議論が起きた。記事はOpenAI系のAIが示した700件超の形式証明を踏まえ、数学研究のあり方そのものが変わったと主張する内容だった。コメント欄では、定理証明支援系Leanで機械検証された証明をそのまま「解決」と認めてよいのか、職業としての数学者はいずれ不要になるのか、研究への投資の意味は何かをめぐって意見が割れた。
数学は変わった。それに合わせて行動しよう
出典: terrytao.wordpress.com / 元記事はこちら
よく言ってくれた、完全に同意するよ。変化に対していきなり抵抗するんじゃなくて、まず受け入れて、それをどう活かせるか考えるべきなのに、そうなっていない。
でも『人間的な意味で』解決したとは言えないよね。OpenAIが出した700件超の『解』は、人間が『解けた』と認めるまでは解決扱いにならない。StarCraft2でAlphaが最強プレイヤーに勝った時点で『解決した』とは言わなかったのと同じで、プロのコミュニティはそのままプレイを続けた。数学も同じでいい。ただ、もっと良い道具を使うだけの話。
数学は観客スポーツとしては地味すぎる。実用性があるから予算がついているだけ。将来は自宅で趣味としてやる人は残るだろうけど、職業としての数学者に未来はないと思う。
『実用性があるから予算がつく』というのは、まさにサイモンズ財団が否定しようとしてきた考え方だよ。同財団は数学への最も重要な資金源の一つなのに。
それは二重に現実離れしてる。一つ、数学者の仕事の大半は証明を考えることじゃない。二つ、実用性って…(笑)
それがまだ本当かどうか分からない。パラダイムシフトや全く新しい手法が必要な問題を想像してみて。AIがそれを生み出せるという証拠は(まだ)ない。
なぜ人間の脳が特別だと思うの?ブレイクスルーが必要かもしれないけど、何兆ドルも投資すればそれは起きるものだよ。しかも時間が経つにつれ、ブレイクスルーが必要ないことがどんどん明らかになってきている。
現実を受け入れて、この新しい超ツールと共存する方法を見つけないといけない。
『AIはどんな問題でも人間よりうまく進められるようになる』の『うまく』を定義してくれ。
今後生まれる新しい数学的成果のほぼ全てに、LLMが大きく関わるようになるという意味だよ。
AIが何か新しくて面白い問題や予想を作り出したことはあるの?
でも、どの問題に取り組む価値があるかをどうやって知るの?従来はそれを、過去の問題を解く過程で見つけてきたわけだけど。
『どんな』問題でも?
人は自分の不安を処理する権利がある。処理には時間がかかるものだよ。とはいえ、それを現代のネットの『注目・ノイズ生成工場』の上で公にやると、話がややこしくなる。
現代最高の数学者の一人とも言われる人が、テクノロジーや自分の専門分野についてこんなに頑なな見方をしているのは、みんな驚いているよ。
AIがこの分野にどう影響するかについては、匿名のHNコメント主が『頭がおかしいレベルのバカ発言』と言うより、プロの数学者の見立てを信じるよ。
論理は論理。専門分野のあらゆる側面について専門家の意見が絶対に必要なわけじゃない。パソコンの使い方もおぼつかない人から、自分が取り組んでいる問題について目から鱗の指摘をもらったこともある。
逆に言えば、その道のプロの数学者には、神経質に気取ったり既得権益を守ったりする動機がたっぷりあるとも言える。
最も難しい問題を解決したからといって、答えが公平に共有され、思いやりを持って実装されない限り、必ずしも良い結果になるわけじゃない。
証明がまだ(人間に)理解されていないとしても、『だからまだ解決と認められない』と言うのは、Leanにバグがあると主張しているのと同じこと。それはかなり大きな主張だよ。
証明の記述そのものが、たとえば制約の取り違えなどで間違っている可能性もあるんじゃない?例えば『2+2=4』を証明したと主張しても、Leanの記述では実際には『1+1=2』を証明していた、ということもあり得る。
いや、『Leanにバグがない』と言う方が、はるかに大きな主張だよ。
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数学という分野自体が消えることはないし、その分野の進展や応用を管理することに全員が興味を持つ(あるいは適任である)わけでもない。
『なぜ人間の脳が特別だと思うの?』—私たちはどの問題を重視するかを選んでいる。証明のどの一歩も、出発点と同じくらい『証明されている』。出発点の選び方こそが問題を作るわけで、それは規範的な選択、つまり社会的な選択だ。
LLMが人間と同じことが得意だと、なぜ信じられるの?
そうなるように何兆ドルも投資されているから、そう信じている。
念のため、これはゲスト投稿(本人の意見ではない)だよ。
何についても意見を言うのは自由だけど、我々が読んでいるのは彼のブログで、あなたはコメント欄にいる、というのには理由があるんだよ。
様々な数学分野にわたる700件の証明が『証明済み』として通ってしまうバグなのに、誰もまだそれに気づいていない、ということ?
この話題の背景と論点
この記事は著名数学者テレンス・タオのブログに載ったゲスト投稿で、本人の意見ではない点がコメント欄でも話題になった。背景には、定理証明支援系Lean上でAIが生成した証明を機械的に検証する動きが数学界で広がっていることがある。スレで割れたのは「機械検証=数学的に解決済み」と言えるかどうかで、懐疑派は証明の記述自体が意図した命題と微妙にずれる(例の中では「2+2=4」を示したつもりが実際は「1+1=2」だったというような誤記述のリスク)可能性を指摘した。もう一つの論点は、数学研究の本質を「証明を作る作業」と見るか「どの問題に取り組む価値があるかを選ぶ社会的な行為」と見るかの違いで、これはAIが人間に追いつけるかという議論の前提を左右する。サイモンズ財団のように実用性と無関係に数学を支援する資金源の存在も、話をさらに複雑にしている。
※本記事は海外掲示板 Hacker News のスレッド「Mathematics has changed. Let’s act like it」から抜粋し、編集部で日本語に意訳したものです。訳文の責任は当サイトにあります。






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