ハリウッドがAIに仕事を教える現状、海外エンジニアらが激論
The Guardianが報じた「ハリウッドの制作者がAIに自分の仕事を仕込んでいる」という記事がHacker Newsで議論を呼んだ。「いずれ1億ドル級の映画がトークン代2万ドルで作れるようになる」という楽観論に対し、「出来の良いAI動画の実例が一本も無い」「Soraはコストが高すぎてすぐ縮小された」といった反論が相次いだ。低予算広告の分野では既に置き換えが進んでいるとの指摘も出た。
自分の技術の墓を掘る:AIに仕事を仕込むハリウッドのクリエイターたち
出典: theguardian.com / 元記事はこちら
AIが出てくる前から、ハリウッド映画はどれも似たり寄ったりだった。今更誰も気づかないと思う。
いや、仕事を教えているわけじゃない。「これがスラップ以上のものになる」と思い込んでいる投資家たちから金を巻き上げる片棒を担いでいるだけだ。
ハリウッドはこれまでも、二番煎じの「人間製スラップ」を大量に売ってきた実績がある。AIが金になる品質に届くとは限らないが、絶対に届かないほうに賭けるかと言われたら、それもしない。もしいつか「超大作」がトークン代2万ドルで作れるようになったら、映画スタジオなんて要らなくなる。
でも、消費者はそのスラップを喜んで消費してるじゃないか?
「ハイエンドの型落ちGPUを持ったアマチュアや、AIクレジットに千ドルほど使った人間が、多少の違和感はあっても1時間超の高品質な長編映画を作れる」と誰かが言っていたが、それなら何故実例が一つも無いのか。段階的な実例、たとえば「ほぼ製品レベルに近い30分の映像作品」すら見当たらない。
実例はある。FXアーティストたちはもう対応に追われている。「これが一番出来の悪い状態で、この先は良くなる一方」というやつだ。
Zack Londonが最近作ったサイバーパンク短編『The Patchwright』(21分)は、AI長編映画の未来を垣間見せてくれる。従来の映画を模倣しようとするのではなく、AIらしい過剰な美学に振り切っているところがいい。
Twitterにはたくさん実例が上がっている。自分がよく見返している90年代・2000年代のスタートレックやスターゲイトより、映像はずっと良い。
だったら、AIで作られたまともな2分の映像すらまだ一本も無いのは何故だ?あれば見せてほしい。数ヶ月前、コカ・コーラは何百万ドルもかけてプロのチームを揃えたのに、まともな1分のCMすら作れなかった。結局、動物がコカ・コーラのトラックに笑いかける5秒クリップの寄せ集めで終わっている。
俺が欲しいのはただ一つ、「サインフェルドを永遠に」だけだ。
ゴミの山の中から掘り出し物を見つける健闘を祈るよ。
つまり、低予算広告のスラップを置き換えるのが先で、1億ドル規模の映画予算を置き換えるのは単にまだ手を付けていないだけ、ということか。能力はもう十分にあるが、誰もやろうとしていないだけ、と。なるほどね。
短いSNS向け広告より難しいし、儲けも少ないからだよ。
「実質的な存在論的自殺とも言える仕事をしていて、どうして自己嫌悪にならずにいられるのか」という問いへの答えは、AI企業CEOへのカルト的崇拝と、自己嫌悪を同僚への攻撃にすり替えているからだろう。
関連ネタとして、Three Panel Soulの『On Workforces』という漫画がある。
なぜユーザーが自分で生成しないんだ?
まさにその通りだと思う。こういうゲームに参加している企業の多くは、「他社にやられる前に」という恐怖から、長期的には自分の墓穴を掘っている。
コストが高すぎるからだよ。試しにSoraを使ってみればわかる……ああ、そういえば使えないんだったな。
そもそも、なぜユーザーがやりたがると思うんだ?
せめてマトモに見える30秒広告すら無い。この技術は特殊効果やアニメーション、ゲーム制作という大きな工程の一部としては面白い。だが「今の製品で本当に映画が作れる」という考えは幻想だ。自分は元インディー映画製作者で、それが本当なら大喜びで飛びつくが。
『The Machine-Made Muse』というスタートレックTNGの10分クリップでは、データ少佐だけが完全に「自然」に見えて聞こえるが、合成テレビ・映画がもうすぐ現実的になることと、その安さをよく示している。短編小説をいくつか放り込めば、TVシリーズ丸ごとの自動生成もできてしまう。
これはかなり近いところまで来ていると思う。
本当に面白い問いは、「生きて社会参加する権利のために労働を差し出せ」と常に要求してくる社会の中で、技術が人間の労働の必要性をこれほど急速かつ徹底的に消し去ったとき、我々はどうするのか、ということだ。
それはHiggsfieldの潜水艦広告(ステマ)だ。Corridor Crewがこの技術をどう使い、紹介しているか見た方がいい。そちらのほうがずっと誠実だ(どれも見応えがある)。あるいはTheoretically TimのようなAI動画専門のレビュアーが、この分野の進化を追いかけている。
『Pomegranate』は最高のAI映画の一つらしいが、編集はかなり酷く見える。AIモデルは正確なカット割りのクリップを作るのが苦手なのか?
Soraは法外なコストのせいであっという間に縮小された。それなのに、言語モデルで長編映画を作るのが安く済むと言える根拠は何だ?
確かにSoraは安くない。だが通常の映画は撮影だけで1億ドルを超えることもザラだ。トークン代2万ドルは相対的には十分安い。
テンポが速いという話ではなく、カットのタイミングそのものがズレているように見える、という話だ。
AIが模造した番組は、初日から「オリジナル番組が5年目あたりで陥る症状」を抱え込むことになる。つまり、もっともらしくて独創的な筋書きはすでに使い尽くされているので、AI生成のストーリーは非現実的か、既存シリーズの筋書きの二番煎じにしかならない。
映画の「製作費」が日常的に1億ドルを超えているとしたら驚きだ。9桁の予算がかかる映画のほとんどは、マーケティング費用──有名俳優や監督、プロデューサーへの報酬もマーケティングの一種と考えれば──がその9桁を占めているのだと思う。
※本記事は5ch(Hacker News)スレッド「Digging the grave of my skills: Hollywood creatives training AI to do their jobs」より抜粋・要約して構成しています。






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